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食品添加物Q&A

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(Q&Aは順次追加する予定です。なお、わかりやすくするため厳密ではない表現を使用した部分もございますので、あらかじめご了承ください。)

2011年12月27日改訂

1.食品添加物とは

食品衛生法では、食品添加物とは、食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するものと定義されています。

豆腐を作るのに「にがり」が使われたり、コンニャクを作るときに「消石灰」が使われたりしてきました。この豆腐やコンニャクは中国から伝えられて1000年以上経っているといわれています。

この「にがり」や「消石灰」は食品添加物であり、豆腐やコンニャクを作るときにどうしても欠かせないものとして現在も使われています。

食品添加物にはそれだけ長い歴史があると考えられます。

食品添加物は、次のような目的で使われるものです。

・食品を製造または加工するときに必要なもの

・食品を形作ったり、独特の食感を持たせるために必要なもの

・食品の色に関するもの(色をとったり、着けたりするもの)

・食品の味に関するもの(うま味、甘味、酸味等の味を付けるもの)

・食品の栄養成分を補うために必要なもの

・食品の品質を保つために必要なもの

日本では、食品添加物の安全性と有効性を確認して厚生労働大臣が指定した「指定添加物」、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」のほかに、「天然香料」や「一般飲食物添加物」に分類されています。

今後、新たに使われる食品添加物は、天然・合成の区別なく、すべて食品安全委員会による安全性の評価を受け、厚生労働大臣の指定を受け「指定添加物」になります。

食品添加物 指定添加物(455品目) 厚生労働大臣が指定した添加物

既存添加物(365品目)

・天然香料

・一般飲食物添加物

いわゆる天然添加物

(平成30年8月27日現在)

「食品添加物にかかわる法律」のところで説明しますが、食品添加物として使えるものは、原則として全て厚生労働大臣が指定することになっています。この食品添加物として指定された食品添加物を指定添加物といい、リスト化され、品目が決めれれています。これには、合成添加物もいわゆる天然添加物も区別がありません。

昔の法律では、合成添加物だけが指定されていましたが、今はいわゆる天然添加物も含む形で指定されています。

長年使用されてきた天然添加物としてリスト化され、品目が決めれれています。

植物、動物を起源とする香料で、約600品目が例示されています。

通常は食品として用いられるが、食品添加物的な使い方をするもので、約100品目が例示されています。

それ自身をそのままで食べることができるもの又は調理をすることによって食べることができるものが食品とされています。

食品添加物は、食品を作ったり、保存したりするために一定の目的をもって意図的に使われるものです。

このために食品添加物は、「食品添加物にかかわる法律」の項で説明する一般飲食物添加物を除けば、通常はそれ自身を食品として食べることはありません。

食塩やしょう油は伝統的に「食品」として扱われています。食品に味を付与する機能は、食塩やしょう油の本来の機能と考えられます。

2.食品添加物にかかわる法律

食品添加物は、食品衛生法という法律で定義されています。

この法律の規定に従って、食品衛生法施行令、食品衛生法施行規則、食品・添加物等の規格基準等で、食品添加物にかかわるさまざまな取り決めが定められています。

食品衛生法では、食品添加物を単に「添加物」といいます。これは、食品衛生にかかわる添加物は、食品添加物に限られるので、単に「添加物」といえばわかるからです。

食品衛生法第4条第2項で、「この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。

食品衛生法では、食品添加物として次の4種類に分類されています。

・指定添加物

・既存添加物

・天然香料

・一般飲食物添加物

食品衛生法では、食品添加物に関して決められていることのうち、主なものは、次のようなことです。

・用語の定義(この法律で使う言葉の決まり)

・指定されたもの以外の添加物の販売、製造、輸入、使用などの禁止

これが食品添加物の指定制度に当たります。

・添加物の基準、規格の制定

これによって、食品添加物の使用基準、製造基準、保存基準および成分規格が制定されます。

また、基準に反した使い方や、規格に合わない添加物の販売、使用などが禁止されることになります。

・食品や食品添加物に関する表示の基準の制定

これによって、表示の仕方が決められます。

・食品添加物公定書の作成

・食品衛生管理者の設置

Q2に示した添加物の他に、次のような用語が定義されています。

・食品:薬事法で決められた医薬品と医薬部外品を除いたすべての飲食物

・天然香料:動植物から得られたもの又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物

・いわゆる一般飲食物添加物:一般に食品として飲食に供されているものであって添加物として使用されるもの

他にも容器、包装、営業、販売などの用語が定義されています。

日本では、原則として使用が認められる食品添加物(天然香料及び一般飲食物添加物以外のもの)を個々に指定し、指定されてない食品添加物を食品に使用することを禁ずる方法が採用されています。

このように使用することができるもののリストを作って公表する方法をポジティブリスト方式といいます。世界的に見たとき、日本が最初に取り入れた方法で、今では、ほとんどの先進国が採用しています。

この食品添加物の指定は、厚生労働大臣が、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、人の健康を損なうおそれがない場合として定めることになっています。

既存添加物は食品衛生法の条文の中では定義されていません。平成7年の食品衛生法改正に伴う附則第2条で、既存添加物名簿に記載する添加物として次のような説明が行われています。

・既存添加物:この法律(食品衛生法等を改正する法律)の公布の際(平成7年5月24日)に、現に販売、製造、輸入、使用等が行われている添加物

同じ附則の第3条では、既存添加物並びにこれを含む製剤又は食品には、食品添加物の指定制度を適用しないと定められています。

日本の食品添加物の指定制度は、長い間、対象を化学的合成品に限っており、天然物から取り出される食品添加物は規制していませんでした。

1995年(平成7年)に、天然系の添加物を含む全ての食品添加物を指定する現在の制度に移行するとき、それまで使用してきた天然系の添加物を続けて使うことを例外的に認めるために採用されたのが、この既存添加物の制度なのです。ですから、食品衛生法の条文としてではなく、Q7でふれたように、改正のときに附則として認めた形になっています。

一般飲食物添加物とは、「一般に食品として飲食に供される物であって添加物として使用されるもの」をいいます。これは、通常は食品として食べられるものを、食品添加物と同じような働きを期待して食品の製造などに使用する場合、食品衛生法では食品添加物として扱うことになります。

通常食品である果汁等を食品の着色に使うとき、また、小麦粉や寒天を酒類の製造でろ過しやすくするために加えるときなど、さまざまなものが該当します。その主なものは、リストに挙げられています。

多くの指定添加物には、成分規格といって、厚生労働省によって、含量や成分に関する規格が定められています。既存添加物や一般飲食物添加物では、約130品目に成分規格があります。

これらは、「食品,添加物等の規格基準」という規則(厚生労働省告示)で定められています。このうち、食品添加物の成分規格や基準類をまとめたものが、「食品添加物公定書」といい、現在、第8版が使用されています。

成分規格が決められている食品添加物は、規格に合うものだけが使えることになっています。

既存添加物では、300弱の品目に、まだ、成分規格が決められていません。成分規格のない食品添加物は、製造する者が責任を持って品質を管理することになっています。

日本食品添加物協会では、既存添加物とよく使われる一般飲食物添加物にも、規格があることが望ましいと考えて自主的な成分規格を検討しています。その結果をまとめて日本食品添加物協会の自主規格として公表しています。

現在、220品目の自主規格を収載した「第4版既存添加物自主規格」を公表しています。

食品添加物公定書には、食品添加物の成分規格とこの規格にかかわる通則、一般試験法、試薬・試液等の他に、次の基準類が収載されています。

・製造基準:食品添加物及び食品添加物の製剤を製造するときに守らなければならない基準

・使用基準:食品添加及びび食品添加物の製剤を使って食品を作る時に守らなければならない対象食品や量に関する基準

・表示基準:食品添加物及び食品添加物の製剤を販売する時に、製品に表示する内容を決めた基準

・保存基準:Q13参照

保存基準は、製造基準、使用基準のようにまとめられたページはありません。保存基準が設定されている場合は、個々の成分規格の後に保存基準として記載されています。これは、保存方法が成分規格に大きな影響を与えるためと、保存基準が設定されている品目が、次の6品目と少ないことによります。

アセトアルデヒド、エルゴカルシフェロール、β-カロテン、コレカルシフェロール、ナタマイシン、ナトリウムメトキシド、ビタミンA油、粉末ビタミンA

食品への食品添加物の表示につきましては、「食品表示法(平成27年4月1日施行)」に定められております。

なお、食品添加物の表示に関しては、「食品での食品添加物の表示」で詳しく説明します。

食品や添加物の製造または加工の過程で、特に衛生上の考慮が必要な場合に、その製造等の施設で、食品衛生法または食品衛生法に基づく命令や処分に対する違反が行われないように、製造または加工の従事者を監督する人です。

食品添加物に関しては、法律で成分規格が設定されている品目を製造する施設で置く必要があります。

食品衛生管理者は、次のような特別の資格を持った人に限られます。

①医師、歯科医師、薬剤師または獣医師

②大学などで、医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学を履修して卒業した者

③厚生労働大臣が指定した食品衛生管理者の養成施設で所定の過程を修了した者

④食品衛生管理者を置いている施設で、衛生管理に3年以上従事して、厚生労働大臣の指定する講習会の過程を終了した者

日本食品添加物協会では、④にかかわる講習会に参画しています。

食品添加物の取り扱い・製造に係る法令には、労働安全衛生法(安衛法)、化学物質排出把握管理促進法(化管法)、毒物及び劇物取締法(毒劇物取締法)、消防法等があり、各々の法令に該当する食品添加物については、届出、表示(GHS対応)、文書交付(SDS)等の規制の対象になりますので、関係法令の確認が必要となります。

また、製造等に当たっては省エネや公害防止等に係る法令など、これ以外にも関連する法令がありますので、ご留意の上適切な対応をお願いします。

3.食品添加物の有用性

食品添加物として指定されるためには以下の条件があります。

(1)安全性が実証または確認されるもの

(2)使用により消費者に利点を与えるもの

①食品の製造、加工に必要不可欠なもの

②食品の栄養価を維持させるもの

③腐敗、変敗、その他の化学変化などを防ぐもの

④食品を美化し、魅力を増すもの

⑤その他、消費者に利点を与えるもの

(3)既に指定されているものと比較して、同等以上か別の効果を発揮するもの

(4)原則として化学分析等により、その添加を確認し得るもの

「食品添加物とは」のQ3で示した目的を次に示します。このような目的を満足させる機能を持つものが、食品添加物として使われます。

・食品を製造又は加工するときに必要なもの

・食品を形作ったり、独特の食感を持たせるために必要なもの

・食品の色に関するもの(着色料、漂白剤、発色剤等)

・食品の味に関するもの(甘味料、酸味料、苦味料、調味料等)

・食品の栄養成分を補うために必要なもの

・食品の品質を保つために必要なもの

完成した食品では、わからないものがほとんどですが、食品をつくるときに必要なもので、多くは製造用剤と呼ばれるグループに入る食品添加物です。これらには、酸・アルカリ、ろ過助剤、清澄剤、イオン交換樹脂、消泡剤、抽出溶剤、触媒等があります。

たとえば、サトウキビから砂糖を取り出して精製して製品の砂糖にするまでには、アルカリや酸、ろ過助剤、イオン交換樹脂等が使われます。これらが、食品を製造・加工するときに必要とされるものです。

豆腐は、原料となる豆乳に「豆腐用凝固剤」というグループの食品添加物を使用して、豆腐の状態に凝固させています。この凝固剤がないと豆腐は作れません。このようなものが食品の形を作るのに必要な食品添加物です。

他にも、菓子を作るときの「膨脹剤」、中華めんに必要な「かんすい」、マーガリンなどのような乳化した食品に使われる「乳化剤」などがあります。

ゼリーやプリンは独特の食感があります。このような食感を出すためには、食品を単に固めるだけでなく、望まれる食感を持たせる必要があります。このために、ゲル化剤が使われます。

見ただけで食欲を左右するほど、食品の色はその「おいしさ」と密接な関係があります。そのため、食品をよりおいしく味わうためには、食品が適切な色であることが求められます。このために、色に関わる食品添加物が使われています。その代表は、着色料です。その他に、漂白剤、発色剤などがあります。

食品の「味」は、食品の「おいしさ」に最も貢献します。この味に関係する食品添加物には、次のようなものがあります。

・甘味料:食品に甘味をつける。

・酸味料:食品に酸味をつけたり、酸の強さを調節する。

・苦味料:食品に独特の苦味をつける。

・調味料:食品にうま味等をつける。

この他に、食品に香りをつける「香料」も使われます。

食品は、原材料を調理・加工するとき、原材料が持っていた栄養成分がなくなったり、減ったりすることがあります。このような栄養成分を補ったり、栄養価を高めたりする目的で使用されるものが、栄養強化剤とも呼ばれる食品添加物です。

この食品添加物は栄養成分の補填・強化を目的として使用され、中には、粉ミルクを母乳の成分に近づけるために使われる食品添加物も含まれています。

食品は、保存している間に微生物によって腐敗したり、油脂成分が変化したりして、食べられなくなったりすることがあります。このような品質への影響を防ぐ目的で使用される食品添加物には次のようなものがあります。

・殺菌料:加工食品の製造に先立って、原材料に付着している微生物を殺菌・除去するために使用します。

・保存料:食品中の微生物やカビの繁殖を防ぐ目的で使用します。

・酸化防止剤:油などの酸化による変質を防ぐ目的で油脂の多い食品などに使用します。

・防かび剤:果物でのカビの発生を防ぐ目的で主にかんきつ類に使用します。

・日持向上剤:保存料ほど効果が強くありませんが、短期間、品質を保つ目的で使用します。

4.食品添加物の安全性

食品安全委員会において一日摂取許容量(ADI)の設定などの安全性の評価を行い、厚生労働省はその評価結果を受け、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において、日常の食事を通して摂取される食品添加物がADIを十分下回るように、使用基準などを定めるなど安全性の管理を行います。

新たに食品添加物として指定する場合、A1で述べたように、まず食品安全委員会において安全性の評価を行った後、厚生労働省、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において、摂取される食品添加物がADIを十分下回るように、安全性の管理を行います。

安全性の審議を行う際には、国際的な食品添加物の評価機関である国際連合のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の安全性評価の結果も参考にします。

食品添加物指定に際しての検討で要求される安全性の資料には、次のようなものがあります。

1.毒性に関する資料

・反復投与試験(繰り返し食べさせたときの影響の確認)

・繁殖試験,催奇形性試験(次世代への影響の確認)

・発がん性試験

・抗原性試験(アレルギーを発症する可能性の確認)

・変異原性試験(遺伝子や染色体などへの影響の確認)

・一般薬理試験(試験された動物の生体機能に対する影響の確認)

2.体内動態に関する資料(体内でどう変化して代謝されるかの資料)

3.1日の摂取量に関する資料

Q3の1に示したようないろいろな安全性試験の結果を検討したなかで、実験動物に毒性の影響を与えない量(最大無毒性量)を求めます。次に、この最大無毒性量から、人が一日にその量以下ならば食べても有害ではない量、一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake→Q6を参照)を求めます。

人間と実験動物では、物質に対する感受性が異なります。また、人の間でも差があります。そこで、動物実験で得られた最大無毒性量に、安全係数(Safety Factor→詳しくはQ5を参照)1/100をかけて得た値を、安全量とみなします。この安全量を参考に、使用できる食品と使用できる量を決めた使用基準を設定します。

毒性に関する試験にはいろいろな動物が使われますが、多くは、ラットやマウスのような小動物です。同じ動物といっても、このような試験結果を、人にそのまま当てはめることはできませんが、人と実験動物の感受性の差が10倍を超えることはないという経験則をもとに、人へ当てはめるときは動物実験から得られた無毒性量の1/10にします。

さらに人でも男女・老若、大柄な人・小柄な人というように、同じ人間同士でも感受性の差がありますが、その差が10倍を超えることはないという経験則をもとに、さらに1/10にして、全体で安全係数を1/100にして安全性を確保しているのです。

ADIは、Acceptable Daily Intakeの略で、一日当たり許容摂取量といいます。このADIは、Q4,Q5で説明した安全量を、一日当たりの平均値に換算して、さらに体重1kg当たりとして表したものです。

このように決められたADIですので、毎日一生涯その量をとり続けても安全な量になっています。

人は、毎日いろいろな食品を食べていますので、たまたま一日だけこのADIを越えて摂取したからといって心配する必要はありません。

5.食品での食品添加物の表示

容器包装入りの加工食品では、表示すべきことがさまざまに決められています。これらを一括して記載してある部分に、原材料名という原材料を表示してある項目があります。食品添加物はその他の食品原材料とともに、ここに記載されます。

食品添加物は、原則として使用した食品添加物を表す「物質名」で表示されます。そのうち、使用目的を表示した方が、消費者の購入の判断に役立つとされたものは、「用途名」という使用目的を表す名称も併記することになっています。

また、同種の食品添加物を複数使う場合で、個々の成分を表示する必要性が低いもの、食品中にも常在成分として存在するもの等は、まとめて「一括名」というグループ名での表示が認められています。

加工食品の製造に使われた食品添加物は、全て表示することが原則とされていますが、その食品で効果を有さないようなものは、表示が免除されています。それには、次のようなものがあります。

・加工助剤に該当する食品添加物

・キャリーオーバーに該当する食品添加物

さらに、栄養強化の目的で使用した食品添加物も表示が免除されています。

加工食品を作るのに使われた食品添加物のうち、次の条件のいずれかに合うものが加工助剤とされます。

①最終的に食品として完成する前に、食品から除去されるもの

②食品中に通常存在する成分に変えられ、かつ、その成分の量が食品中に通常存在する量を有意に増加させないもの

③最終食品中に、ごくわずかなレベルでしか存在せず、その食品に影響を及ぼさないもの

その食品添加物の使用基準で、最終食品の完成前に除去あるいは分解または中和することが定められているもので次のようなものが該当します。

亜塩素酸ナトリウム、アセトン、イオン交換樹脂、塩酸、過酸化水素、次亜塩素酸水、シュウ酸、臭素酸カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、二酸化ケイ素、ヘキサン、ポリビニルポリピロリドン、硫酸

ただし、除去又は中和という使用基準にかかわらず、水酸化カリウムは例外で、物質名で表示されます。

使用基準では決められていないが、次のように、Q5と同じような使い方がなされるものも、加工助剤になります。

・使用基準では決められていないが、食品の製造・加工の工程でその食品添加物が除去あるいは分解または中和されるもの

・使用基準では決められていないが、食品中に通常存在する成分に変えられ、かつ、その成分の量が食品中に通常存在する量を有意に増加させないもの

・食品の製造・加工の工程で使用した食品添加物で、食品に残留するが、その量が少なく、その成分が食品で機能を発揮しないもの

食品の原材料の製造・加工で使用されたもので、その食品の製造には使用されない食品添加物で、最終食品まで持ち越された場合に、最終食品中では微量となって、食品添加物そのものの効果を示さない場合をキャリーオーバーといいます。

食品には、製造者の連絡先など表示すべきことがいろいろと決められていますが、表示のスペースが限られた食品では、全てを記載することが困難な場合があります。そこで、表示面積が小さい場合には、原材料の表示を省略することが認められています。表示の可能な面積が30平方センチメートル以下の場合が、食品衛生法における省略の基準に該当します。

食品の原材料表示に食品添加物の名称として使用できるものは、以下のとおりです。

・品名:指定添加物の告示名称および既存添加物などの収載品目リストの品名欄に収載された名称で、いずれも別名を含む

・簡略名:表示のために品名を簡単にした名称

・類別名:本質が共通するいくつかの品目をグループとしてまとめた表示のための名称

例を挙げると、次のようになります。

品名 簡略名・類別名
名称 別名 簡略名 類別名
β-カロテン β-カロチン
  • カロテン
  • カロテン色素
  • カロチン
  • カロチン色素
  • カロテノイド
  • カロテノイド色素
  • カロチノイド
  • カロチノイド色素
トウガラシ色素
  • カプシカム色素
  • パプリカ色素
  • カロテノイド
  • カロテノイド色素
  • カロチノイド
  • カロチノイド色素

食品に表示すべきことはたくさんありますので、限られたスペースにどれだけ表示できるかも大切です。このため、簡単にできるものは、できるだけ簡単にすることを目的として作られたものが、簡略名と類別名です。

「β-カロテン」のβ-や「DL-アラニン」のDL-のような異性体を示す符号を省略したり、「亜硝酸ナトリウム」を「亜硝酸Na」で表すようにカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムを、元素記号のK,Ca,Na,Mgで置き換えたり、「クエン酸三カリウム」を「クエン酸カリウム」および「クエン酸K」とするように置換数を省略したりします。

既存添加物では、この他に「カフェイン(抽出物)」などの(抽出物)を省略することもあります。また、その主要な成分名を簡略名としたものもあります。

Q9の物質名の例にあった「カロテノイド」などのように、異なったものでも本質は変わりがない場合があります。このように同じようなものをまとめても、表示の目的には反しないとして、まとめられたものが類別名です。

類別名は、着色料に多く認められいます。

食品添加物の表示の仕方は、省令(食品衛生法施行規則)で決められています。現在の食品添加物の全面表示を方向付けた1988年の省令改正までは、一部の食品添加物に限って、主に使用目的を示す名称で表示されていました。そのため、消費者などの強い要望もあり、それまで使われてきた表示を残す形で、用途名になったのです。

現在、併記する用途名は、次のように8種類あります。

甘味料、着色料、保存料、糊料(または、増粘剤・安定剤・ゲル 化剤)、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤(または、防ばい剤)

この中で、糊料はそのグループ全般に使える用途名ですが、増粘剤は増粘の目的、安定剤は安定させる目的、ゲル化剤はゲル化の目的で使用した時に限って使われる用途名です。

防かび剤と防ばい剤は、漢字で書くと防黴剤となるもので、読み方の違いによって2つの用途名になったものです。

原則は併記ですが、併記しなくても使用目的が判る場合は、用途名を省略できます。省略ができるのは、次のような場合です。

着色料:色という文字があるとき

たとえば、カロテン色素やカロテノイド色素のようなもの

増粘剤:増粘多糖類と表示するとき

ゲル化の目的で使用したときは、「ゲル化剤(増粘多糖類)」となります。

Q10~Q12で説明した簡略名や類別名は、食品添加物を物質として考えて作られたものですが、一括名は、食品添加物の使用目的でまとめられたものです。表示のスペースも念頭に置いて、類別名と同じように認められたものです。

一括名には、食品衛生法施行規則の改正が行われたときに、多くの消費者に知られていた使用目的を示す名称が採用されました。

現在認められている一括名は、次の14種類です。

イーストフード、ガムベース、かんすい、苦味料、酵素、光沢剤、乳化剤、酸味料、チューインガム軟化剤、調味料、pH調整剤、豆腐用凝固剤、膨張剤、香料

このうち、調味料は、アミノ酸、核酸、無機塩、有機酸の4つのグループに分けられており、これらのグループ名を併記します。

チューインガム軟化剤と豆腐用凝固剤は、それぞれ、軟化剤、凝固剤と表示することができます。

膨脹剤は、膨張剤、ベーキングパウダー、ふくらし粉とも表示することができます。

一括名に関しては、厚生省の生活衛生局長の通知で、その定義と一括名を使用できる食品添加物が決められています。このため、同じような目的で使用しても、一括名の範囲に入っていない食品添加物の場合は、物質名で表示することになります。

逆に一括名の定義外の目的で使う場合も、物質名で表示することになります。

6.食品添加物の国際的関係

国際的には、食品添加物の安全性の検討や成分規格の設定等科学に基づいたリスクアセスメントを担当する国連の下部組織にJECFAという組織と、食品添加物の使用基準の設定等のリスクマネージメントを担当するCCFAという組織があります。

CCFAは、国際的に流通している食品の規格を検討しているCAC(通常、コーデックスと称している)の下部組織です。

JECFAとは、FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additivesの略で、国際連合食糧農業機関(FAO)と国際連合世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議を意味します。食品添加物の安全性の評価、成分規格等に関する検討を行うために、FAOおよびWHOが食品添加物にかかわる安全性(毒性)と規格に関する専門研究者を指名して組織する会議です。

これらの研究者は純粋に専門家として参加し、国あるいは団体を代表する立場をとらないことが定められています。

CACとは、FAO/WHO Codex Alimentarius Commission の略で、合同食品規格委員会と呼んでいます。消費者の健康を保護し、食品の貿易に係る公正を保証することを目的に、各国の国内事情によってまちまちになっている食品に関するさまざまな決まりに、国際的な整合性を持たせるための政府間協議機関であり、その成果は国際食品規格集としてまとめられています。

CCFAとは、Q3のCACの下部組織で、Codex Committee on Food Additives の略です。この委員会は、CACの食品全般に係わる課題を扱う全般問題部会に属し、食品添加物に関する検討を行う委員会で、食品添加物部会と訳されています。食品添加物使用の原則、使用基準、食品分類等の検討を行っています。

EU(欧州連合)でも、ヨーロッパでの食品添加物に関する共通の規則をまとめている機関(EFSA)があります。

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